- 個人情報の特定を防ぐため,内容は簡略化・抽象化しています(更新日と相談日は一致しません)
- レーク総合法律事務所で行われた全ての相談を紹介しているものではありません
- 事情によって結論が異なることがありますので,まずはご相談ください
80代男性 不動産
目次
民法上,建物を築造するには,境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならないと規定されており,隣地の所有者がこれに違反して建物を建築しようとしている場合には,建築の中止又は変更を求めることができます。ただし,建築に着手したときから1年が経過するか,建物が完成した後は,建築の中止又は変更は求めることができず,損害賠償請求しかできません。
ご相談の件では,建物が完成しそうな状況ということですので,取り急ぎ,民法に基づいて,建築の中止又は変更を求めることが考えられるでしょう。
また,建築基準法によると,第1種低層住居専用地域または第2種低層住居専用地域は,1メートル又は1.5メートルとすることが求められています。
一方で,防火地域又は準防火地域にある外壁が耐火構造の建築物は,外壁を隣地境界線に接して設けることができるとされています(防火地域又は準防火地域にある耐火構造の建築物に関する定めは,民法に優先するとの最高裁の判例があります)。
ご相談の場所の地域の種別によっては,結論が変わる可能性もありますが,建物が完成した後では,民法に基づく請求ができなくなるので,いずれにしても,まずは取り急ぎ,民法に基づく建築の中止又は変更を求めることはしておいた方がよいと思われます。