破産というのは，裁判所から破産手続開始決定を受けて，債務者の所有する財産を一部残して，残りを全て換価し，債権者に配当する手続きです。
また，個人の場合には，破産と合わせて，裁判所から免責を受けることで，一部の債務（税金など）を除いて，支払義務を免れることができるようになります。
破産手続では，破産管財人が選任され，その破産管財人が財産の換価を行うことになるのが原則ですが，明らかに財産がなく，破産手続の費用（破産管財人が財産の換価業務を行うのに要する費用等）すら捻出できないという場合には，破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定がなされ，破産管財人の選任が行われない場合もあります。
この手続きは「同時廃止」と呼ばれることがありますが，事業主でない個人の場合には，財産がほとんどないということが多いので，この同時廃止の手続きによって破産手続が行われることが多いです。
破産手続のデメリットは，弁護士や警備員といった一定の職業に就けなくなること，官報（国のお知らせなどが掲載される新聞のようなもの）に氏名・住所が記載されること，新たに借入れを受けられなくなることなどがあります。
もっとも，職業制限については，ほとんどの方の場合，該当することはありませんし，破産手続が全て終了すれば，職業制限はなくなります。
また，破産するような状況の場合，すでに滞納が多額に上っていることが通常なので，破産しなくても新たに借入れをすることはできないことが多いかと思います。
官報についても，ほとんど誰も見ていないので，あまり気にする必要はありません。最近，官報の情報をもとに，破産者の氏名等を公開する悪質なサイトの存在が問題となっていますが，官報自体も誰も見ないとも限りませんし，どこまで気にするかは，人によって異なります。
